Odoo の Community と Enterprise、何が違う?「所有」で選ぶという考え方
無償の Community に何が入っていて、何が入っていないのか。Odoo 19 の中身を数えたうえで、「借りる」と「所有する」の選び方を整理します。
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Odoo には、無償で使える Community と、年額で契約する Enterprise の2つがあります。比べるときは機能の数に目が行きがちですが、もう1つ大事なのが「システムを借りるのか、所有するのか」という違いです。
Community には何が入っているか
Odoo 19 の Community(公式の配布物)に入っているモジュールは 692 個 ありました(2026年10月、公式のイメージ odoo:19.0 を入れて数えました)。業務で使う中心の機能は、Community に揃っています。
| 業務 | Community に入っているもの |
|---|---|
| CRM | 商談の管理(crm) |
| 販売 | 見積・受注(sale・sale_management) |
| 購買 | 発注・相見積と購買契約(purchase・purchase_requisition) |
| 在庫 | 入出庫・在庫評価(stock・stock_account) |
| 請求・会計 | 請求書と仕訳(account)、日本の勘定科目と税の雛形(l10n_jp)、電子インボイス Peppol(l10n_jp_ubl_pint) |
| 経費 | 経費精算(hr_expense) |
| 生産 | 製造・外注・設備の保守(mrp・mrp_subcontracting・maintenance) |
Community に入っていないもの
同じ数え方で、次のモジュールは Community にはありませんでした。これらは Enterprise 側の機能です。
| 分野 | 入っていないもの |
|---|---|
| 会計 | 財務レポート(account_reports)、会計のアプリ(account_accountant) |
| 承認 | 承認のアプリ(approvals) |
| 在庫 | バーコードの画面(stock_barcode) |
| 生産 | 基準生産計画(mrp_mps)、作業者のタブレット(mrp_workorder)、品質(quality_control) |
| その他 | 画面を自分で作る道具(web_studio) |
もう1つ大事なのは、日本の業務に要るものの多くは、どちらにも入っていないことです。日本の勘定科目と税の雛形(l10n_jp)はありますが、締め請求書、全銀協形式の振込データ、日本の様式の帳票は、Community にも Enterprise にもありません。入金の消込は、振込手数料の差額を手数料の勘定へ振り替えて請求ごとに消し込むところまでは、Community の支払の登録(account)でもできます。足りないのは、得意先ごとの手数料の負担の決まり、センターフィー、まとめて振り込まれた入金の割り当て、締め請求との照合で、これは当社が足します。
「借りる」と「所有する」
Enterprise は、使う人の数に応じた年額の契約で使う形です。契約をやめると、Enterprise の有料の機能は使い続けられません。これは「システムを借りる」形と言えます。
一方、Community は LGPLv3 という条件で公開されていて、契約なしで使い続けられます。足りない機能を自社の追加部品として作れば、システムを「所有する」形にできます。
| Enterprise | Community + 追加部品 | |
|---|---|---|
| 払い方 | 年額(人数に応じて) | 追加部品の買取と導入 |
| 人数が増えたとき | 年額が増える | 変わらない |
| 契約をやめたとき | 有料の機能は使えない | そのまま使える |
| 日本の業務の機能 | 別に用意が要る | 追加部品に含める |
どちらを選ぶか
- すぐに全部の機能を使いたく、人数があまり増えない なら、Enterprise が手早い選び方です
- 人数が増えていく、長く使う、ソースを手元に置きたい なら、Community に追加部品を足して所有する形が合います
どちらでも、締め請求や全銀協形式の振込のような日本の請求・支払の機能は、別に用意する必要があります。Community を選ぶなら、多段の承認も足します。その部分の画面は「Odoo Community は日本企業でも使える?」と「承認フローを自動化」で説明しています。
Odoo の中で動く、入金消込の画面(見本のデータ)。振込手数料やセンターフィーが差し引かれた入金を、請求額から積み上げて合わせます。
