サイズ・色違いを一元管理 — Odoo の品目バリアント
サイズや色だけが違う製品を、別々の品目として登録していませんか。Odoo Community の「属性」と「バリアント」で、品目を1つにまとめたまま在庫・部品表・受注を分けて扱う方法を、実際の画面で確かめます。
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作業用の手袋が S・M・L の3サイズ、白と黒の2色あるとします。これを品目の一覧に組み合わせごとに登録すると、手袋だけで行が6つ並びます。サイズや色が増えるたびに行は掛け算で増え、名前の付け方も人によってばらつきます。
Odoo Community には、こうした「少しだけ違う品目」を1つの品目にまとめて持つ仕組みが標準で入っています。この記事では、その仕組み(属性とバリアント)を、見本のデータの画面で順に見ていきます。
別々の品目にしておくと、どこで困るか
サイズ・色違いを独立した品目として登録していると、次のような手間が日々かかります。
- 部品表の直し漏れ。糸や梱包材を変えるとき、色違いの数だけ部品表を開いて直すことになります。直し忘れが残ると、原価も払い出しもずれます
- 合計が出ない。「手袋は全部で何双あるか」を答えるには、行を拾って足し算する必要があります。売上の集計も同じです
- 選び間違い。受注の入力で似た名前の品目が並ぶと、黒のつもりで白を選ぶ、といった誤りが起きます。誤りは出荷まで気づかれません
どれも、品目の「共通の部分」と「違う部分」が分かれていないことから起きています。
Odoo は「品目」と「バリアント」の2段で持つ
Odoo では、品目(画面の言葉では「プロダクト」)に属性を付けると、属性の値の組み合わせごとにバリアントが作られます。名前・分類・税・仕入先など共通の情報は品目の側にまとめて持ち、品番・在庫・原価はバリアントごとに持ちます。
機能をオンにする
この仕組みは、販売の設定にある「バリアント」で切り替えます。オフのままだと、品目の画面に属性の欄が出ません。
販売の設定(画面は見本のデータです)
品目に属性と値を付ける
品目の画面の「属性とバリアント」のタブで、使う属性と値を選びます。作業用グローブには、サイズ(S・M・L)と色(白・黒)を付けました。
品目に付けた属性(画面は見本のデータです)
画面の下に出ている注意書きのとおり、使い始めてから属性を足したり外したりすると、バリアントが作り直されます。属性は、品目を登録する前に決めておくのが安全です。
属性ごとに「いつ作るか」を決める
属性そのものの画面では、値の一覧と、バリアントを作る時期を決めます。選べるのは次の3通りです。
| 画面の表示 | 動き | 向いているもの |
|---|---|---|
| 製品に追加後 | 品目に属性を付けた時点で、全部の組み合わせを作る | 在庫を持つサイズ・色 |
| 販売注文に追加後 | 受注に入った組み合わせだけを作る | 組み合わせが多く、売れる物が一部の受注生産 |
| 作成しない | バリアントは作らず、受注の明細に値だけ残す | 刺繍の文字など、在庫を分けない指定 |
属性の画面(画面は見本のデータです)
値ごとに「追加価格」も持てます。L だけ少し高い、といった値付けはここで決めます。作り方の選択は、品目で使い始めると変えられなくなります(画面では灰色になります)。
できあがったバリアント
品目の画面右上の「バリアント」から、作られたバリアントの一覧を開けます。作業用グローブからは 6 個 のバリアントが作られ、それぞれが自分の品番と在庫を持っています。一覧の一番下には、品目全体の手持ちの在庫の合計が出ます。
バリアントごとの在庫と合計(画面は見本のデータです)
「全体でいくつあるか」と「黒の L がいくつあるか」を、同じ一覧で答えられます。
部品表はひとつ、違う部品だけに印を付ける
製造する品目なら、部品表(製造のアプリ)もバリアントに合わせられます。部品表は品目に対してひとつだけ作り、サイズや色で変わる部品の行にだけ「バリアントに適用」で値を指定します。指定のない行は、全部のバリアントで使われます。
ひとつの部品表で全部のバリアントをまかなう(画面は見本のデータです)
この例では、黒の L を作るときは「縫い糸・サイズタグ・L 用の生地・黒の染料」、白の S を作るときは「縫い糸・サイズタグ・S 用の生地」が払い出されます。縫い糸を別の物に替えるときは、この行を直すだけで全部のバリアントに効きます。
「バリアントに適用」の列は、最初は隠れています。部品の一覧の右上の列の切り替えから表示します。特定のバリアントだけまったく違う作り方をする場合は、そのバリアント専用の部品表を別に作ることもできます。
受注は、表に数を入れるだけ
見積や受注で品目を選ぶと、サイズと色を選ぶ小さな画面が開きます。販売の設定で「バリアントグリッド入力」をオンにし、品目の側で入力の方法を表にしておくと、サイズ×色の表に数を入れる形になります。この機能(sale_product_matrix)は Community の配布物に入っています。
サイズ×色の表で数を入れる(画面は見本のデータです)
確定すると、数を入れた組み合わせだけが明細の行になります。品番とサイズ・色が明細に出るので、出荷や請求の段階でも取り違えに気づけます。
表から作られた明細(画面は見本のデータです)
始める前に決めておくこと
- どの違いを属性にするか。在庫を分けて数えたい違い(サイズ・色・容量)は属性にします。在庫を分けない指定は「作成しない」にします
- 品番の付け方。バリアントごとに品番を持てます。サイズと色が読み取れる決まりを先に作っておくと、現場で迷いません
- 属性は後から増やさない。足すとバリアントが作り直されるので、既存の在庫や取引のある品目では計画して行います
属性とバリアントは、Odoo Community の販売・在庫・製造で共通に使える仕組みです。在庫の機能全体は「Excel 在庫管理の限界を突破」で、Odoo に何が入っているかは「Odoo Community とは?」で紹介しています。






