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サイズ・色違いを一元管理 — Odoo の品目バリアント

サイズや色だけが違う製品を、別々の品目として登録していませんか。Odoo Community の「属性」と「バリアント」で、品目を1つにまとめたまま在庫・部品表・受注を分けて扱う方法を、実際の画面で確かめます。

5分
最終更新: 2026年10月26日
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サイズ・色違いを一元管理 — Odoo の品目バリアント

作業用の手袋が S・M・L の3サイズ、白と黒の2色あるとします。これを品目の一覧に組み合わせごとに登録すると、手袋だけで行が6つ並びます。サイズや色が増えるたびに行は掛け算で増え、名前の付け方も人によってばらつきます。

Odoo Community には、こうした「少しだけ違う品目」を1つの品目にまとめて持つ仕組みが標準で入っています。この記事では、その仕組み(属性とバリアント)を、見本のデータの画面で順に見ていきます。

別々の品目にしておくと、どこで困るか

サイズ・色違いを独立した品目として登録していると、次のような手間が日々かかります。

  • 部品表の直し漏れ。糸や梱包材を変えるとき、色違いの数だけ部品表を開いて直すことになります。直し忘れが残ると、原価も払い出しもずれます
  • 合計が出ない。「手袋は全部で何双あるか」を答えるには、行を拾って足し算する必要があります。売上の集計も同じです
  • 選び間違い。受注の入力で似た名前の品目が並ぶと、黒のつもりで白を選ぶ、といった誤りが起きます。誤りは出荷まで気づかれません

どれも、品目の「共通の部分」と「違う部分」が分かれていないことから起きています。

Odoo は「品目」と「バリアント」の2段で持つ

Odoo では、品目(画面の言葉では「プロダクト」)に属性を付けると、属性の値の組み合わせごとにバリアントが作られます。名前・分類・税・仕入先など共通の情報は品目の側にまとめて持ち、品番・在庫・原価はバリアントごとに持ちます。

機能をオンにする

この仕組みは、販売の設定にある「バリアント」で切り替えます。オフのままだと、品目の画面に属性の欄が出ません。

販売の設定。「バリアント」にチェックが入り、その隣に「バリアントグリッド入力」が並ぶ

販売の設定(画面は見本のデータです)

品目に属性と値を付ける

品目の画面の「属性とバリアント」のタブで、使う属性と値を選びます。作業用グローブには、サイズ(S・M・L)と色(白・黒)を付けました。

作業用グローブの「属性とバリアント」のタブ。サイズに S・M・L、色に白・黒が並ぶ

品目に付けた属性(画面は見本のデータです)

画面の下に出ている注意書きのとおり、使い始めてから属性を足したり外したりすると、バリアントが作り直されます。属性は、品目を登録する前に決めておくのが安全です。

属性ごとに「いつ作るか」を決める

属性そのものの画面では、値の一覧と、バリアントを作る時期を決めます。選べるのは次の3通りです。

画面の表示動き向いているもの
製品に追加後品目に属性を付けた時点で、全部の組み合わせを作る在庫を持つサイズ・色
販売注文に追加後受注に入った組み合わせだけを作る組み合わせが多く、売れる物が一部の受注生産
作成しないバリアントは作らず、受注の明細に値だけ残す刺繍の文字など、在庫を分けない指定

属性「サイズ」の画面。表示タイプ、バリアント作成の3つの選択肢、S・M・L の値が並ぶ

属性の画面(画面は見本のデータです)

値ごとに「追加価格」も持てます。L だけ少し高い、といった値付けはここで決めます。作り方の選択は、品目で使い始めると変えられなくなります(画面では灰色になります)。

できあがったバリアント

品目の画面右上の「バリアント」から、作られたバリアントの一覧を開けます。作業用グローブからは 6 個 のバリアントが作られ、それぞれが自分の品番と在庫を持っています。一覧の一番下には、品目全体の手持ちの在庫の合計が出ます。

作業用グローブのバリアントの一覧。品番 FG-GLV-L-B など、サイズと色の組み合わせごとに手持在庫と予測が並び、下に合計が出る

バリアントごとの在庫と合計(画面は見本のデータです)

「全体でいくつあるか」と「黒の L がいくつあるか」を、同じ一覧で答えられます。

部品表はひとつ、違う部品だけに印を付ける

製造する品目なら、部品表(製造のアプリ)もバリアントに合わせられます。部品表は品目に対してひとつだけ作り、サイズや色で変わる部品の行にだけ「バリアントに適用」で値を指定します。指定のない行は、全部のバリアントで使われます。

作業用グローブの部品表。縫い糸とサイズタグは指定なし、ニット生地は S・M・L ごと、黒の染料は色が黒のときだけ使う

ひとつの部品表で全部のバリアントをまかなう(画面は見本のデータです)

この例では、黒の L を作るときは「縫い糸・サイズタグ・L 用の生地・黒の染料」、白の S を作るときは「縫い糸・サイズタグ・S 用の生地」が払い出されます。縫い糸を別の物に替えるときは、この行を直すだけで全部のバリアントに効きます。

「バリアントに適用」の列は、最初は隠れています。部品の一覧の右上の列の切り替えから表示します。特定のバリアントだけまったく違う作り方をする場合は、そのバリアント専用の部品表を別に作ることもできます。

受注は、表に数を入れるだけ

見積や受注で品目を選ぶと、サイズと色を選ぶ小さな画面が開きます。販売の設定で「バリアントグリッド入力」をオンにし、品目の側で入力の方法を表にしておくと、サイズ×色の表に数を入れる形になります。この機能(sale_product_matrix)は Community の配布物に入っています。

「プロダクトバリアントを選択」の表。行が白・黒、列が S・M・L で、L の列には追加価格が出ている

サイズ×色の表で数を入れる(画面は見本のデータです)

確定すると、数を入れた組み合わせだけが明細の行になります。品番とサイズ・色が明細に出るので、出荷や請求の段階でも取り違えに気づけます。

見積の明細。作業用グローブの S 白・M 白・S 黒・M 黒が、それぞれの数量と金額で並ぶ

表から作られた明細(画面は見本のデータです)

始める前に決めておくこと

  • どの違いを属性にするか。在庫を分けて数えたい違い(サイズ・色・容量)は属性にします。在庫を分けない指定は「作成しない」にします
  • 品番の付け方。バリアントごとに品番を持てます。サイズと色が読み取れる決まりを先に作っておくと、現場で迷いません
  • 属性は後から増やさない。足すとバリアントが作り直されるので、既存の在庫や取引のある品目では計画して行います

属性とバリアントは、Odoo Community の販売・在庫・製造で共通に使える仕組みです。在庫の機能全体は「Excel 在庫管理の限界を突破」で、Odoo に何が入っているかは「Odoo Community とは?」で紹介しています。

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