Odoo Community とは?無料で使えるオープンソース ERP の全貌
Odoo Community で何ができて、何が入っていないのか。Odoo 19 の中身と実際の画面を見ながら、費用の考え方と向く会社、始め方までをまとめます。
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Odoo(オドゥー)は、ベルギーの Odoo S.A. が開発している業務システム(ERP)です。公式の紹介では、世界で 2,800万人 以上が使っているとされています(Community と Enterprise を合わせた数)。
その Odoo のうち、誰でも無料で入手して使い続けられる版が Odoo Community です。この記事では、Community に何が入っていて、何が入っていないのか、お金はどこにかかるのか、どんな会社に合うのかを順に見ていきます。
Odoo Community はどんなソフトか
Odoo には2つの版があります。
- Community:ソースコードが公開されていて、LGPLv3 という条件で使える版(「LGPLv3 とは?」)。契約は要りません
- Enterprise:Community に有料の機能を足し、利用者の人数に応じた年額で契約する版
Community は「お試し版」ではなく、それだけで業務を回せる本体です。Enterprise は、その上に有料の機能を重ねたものと考えると分かりやすくなります。2つの版の違いと選び方は「Community と Enterprise、何が違う?」で詳しく整理しています。
Odoo Community で何ができるか
Odoo 19 の Community の公式配布物には、モジュール(機能の単位)が 692 個 入っていました(2026年10月、公式のイメージを入れて数えました)。数は多いですが、会社の仕事に沿って見ると、次の流れが一通りつながっています。
商談から受注まで。見込み客や商談を段階ごとに並べて追いかけ、成約したら見積・受注に進みます。
CRM の商談(画面は見本のデータです)
受注の画面からは、出荷と請求書がそのまま作られます。画面の上にある「配送」「請求書」の数字が、この受注から作られた伝票です。打ち直しは要りません。
受注(画面は見本のデータです)
モノの動き。品目ごとの手持ちの在庫、入荷と出荷、倉庫の間の移動を扱います。サイズや色の違いは、1つの品目の「バリアント」として持てます。
在庫の品目(画面は見本のデータです)
作る仕事。部品表(BOM)から製造オーダを出し、材料の引当と完成を記録します。外注先への材料の支給や、設備の保守の記録も Community に入っています。
製造オーダ(画面は見本のデータです)
ほかに、発注と相見積、請求書と仕訳、経費の精算も Community で使えます。画面は日本語に切り替えられ、日本の勘定科目と消費税の雛形も用意されています。
入っていないもの
一方で、次のような機能は Community にはなく、Enterprise 側にあります。
- 財務レポート、基準生産計画、作業者向けのタブレットの画面
- 承認のアプリ、バーコードで入出荷する画面
- 画面に項目を足す道具(Studio)
どれが Community にあって、どれが無いかの一覧は「Community と Enterprise、何が違う?」にまとめています。
もう1つ知っておきたいのが、日本の商習慣に合わせた機能は、どちらの版にも入っていないことです。締め日でまとめる請求書、全銀協形式の振込データ、日本の様式の見積書や納品書がそれにあたります。振込手数料が引かれた入金は、標準でも差額を手数料の勘定へ振り替えて請求ごとに消し込めますが、得意先ごとの手数料の負担の決まりやまとめ入金の割り当ては入っていません。当社は、こうした機能を Community の上に載せる追加部品として用意します。
費用の考え方
Community 自体は無料です。人数が増えても、使い続けても、ソフトの代金はかかりません。お金がかかるのは、ソフトの外側です。
| かかるもの | 中身 |
|---|---|
| 動かす場所 | 社内のサーバー、またはクラウドのサーバーの費用 |
| 立ち上げ | 品目・取引先などのマスタの登録、今のデータの移し替え、使う人の練習 |
| 日本向けの追加部品 | 締め請求や、得意先ごとの決まりに合わせた入金消込など、標準に無い機能 |
| 毎年の版上げ | Odoo は毎年秋に大きな版が出るので、追加部品を新しい版に合わせる作業 |
見落としやすいのが最後の版上げです。追加部品が多いほど作業は増えるので、標準でできることは標準で済ませ、足すものは絞るのが、長く安く使うコツです。
向いている会社・向いていない会社
向いている会社
- 販売・在庫・製造・会計を、Excel や別々のソフトから1つにまとめたい
- 人数が増えていく見込みがあり、人数ごとの年額を払い続けたくない
- システムのソースを手元に持ち、頼む会社を替えられる状態にしておきたい
向いていない会社
- サーバーの管理を誰にも任せられず、任せる先も探さない
- Enterprise にしかない機能(Studio や財務レポートなど)を、作らずにすぐ使いたい
後者の場合は、Enterprise を契約するほうが早道です。
始め方
- 画面を触ってみる:公式の Docker のイメージを使えば、手元のパソコンで Community を動かせます(日本語で立ち上げる手順)。受注から請求までを一度通すと、全体の形がつかめます
- 今の業務と並べる:受注・出荷・請求・支払の流れを書き出し、標準で済む所と足りない所に分けます
- 足りない所を決める:日本の業務で足りない部分を、追加部品で作るのか、運用で補うのかを決めます
自社の業務で何が足りなくなりそうか、一緒に整理したい場合はお問い合わせからご相談ください。



