MY HATCH

食品加工業のための統合 ERP — 受注から出荷までを Odoo の上で1本に

注文の取り込み、見込みの数、製造、ロットと期限、回収のときの追跡、出荷。食品加工の仕事の流れを1枚の地図にして、Odoo Community の標準で足りる所と、当社が画面を足す所を分けて案内します。

5分
最終更新: 2026年10月26日
食品加工ロット賞味期限トレーサビリティOdoo Community
目次

目次

このページには目次がありません

食品加工業のための統合 ERP — 受注から出荷までを Odoo の上で1本に

「明日の便に間に合うか」「この原料はどの製品に使ったか」「期限の近い在庫はどれか」。食品をつくる会社では、こうした答えが FAX の束、表計算、現場の黒板に分かれて置かれがちです。

この記事は、食品加工の流れを1枚の地図にして、Odoo Community の標準で足りる所と、当社が画面を足す所を分けて案内します。

食品ならではの事情

  • 注文の入口が多い(FAX・EDI・ネットショップ)
  • 日持ちが短く、作りすぎは廃棄、足りなければ欠品になる
  • 原料も製品も、ロットと期限で管理する
  • 回収のとき、原料のロットから出荷先までをすぐにたどる
  • 出荷を便と温度帯で組む
  • 現場は手袋をはめていて、事務所の画面を使えない

流れの地図

Odoo 19 Community の公式の配布物には 692 のモジュールがあります。食品加工の流れに当てはめると、次のとおりです。

場面Odoo Community の標準当社が足す画面(見本)詳しい記事
受注見積・受注・出荷の伝票(sale・sale_stock)受注ワークベンチ・受注管理表バラバラの受注を1本の線に
見込み補充の規則・先の在庫の見通し需要イベントカレンダー作りすぎ・足りないを減らす
製造部品表・製造オーダ(mrp)タブレット実績入力工程の実績をその場で入れる
ロット・期限ロット・期限(product_expiry)—この記事
追跡トレーサビリティのレポートトレーサビリティこの記事
出荷出荷の伝票・ピッキング出荷予定一覧この記事
原価・請求在庫の評価・製造原価の会計(stock_account・mrp_account)・税の雛形(l10n_jp)原価配賦・締め請求・入金消込Community と Enterprise

見本の画面は Odoo の中で動いていますが、まだ Odoo の伝票とはつないでいません。

見込み:出来事を日付に並べる

特売・連休・行事・天気で、日ごとの数は大きく動きます。需要イベントカレンダーは、出来事を日付に置き、見込みと例年との比を並べます。

需要イベントカレンダーの一部。連休・特売・秋祭り・気温の出来事が日付の枠に並び、枠の下に日ごとの見込みと例年との比がある

当社が足す画面の見本:需要イベントカレンダー(画面は見本のデータです)

製造:部品表から原料を引き当てる

ここからは Odoo の標準の画面です。部品表に原料と包材を登録しておくと、製造オーダを確定した時点で使う量が計算され、在庫から引き当てられます。

製造オーダの画面。木綿豆腐を作るオーダで、国産大豆・にがり・豆腐パックの消費待ちの量が並び、上に確定済の状態とロットを生成のボタンがある

Odoo 標準の製造オーダ(画面は見本のデータです)

作業者がラインの横で押すタブレットの画面(mrp_workorder)は Enterprise 側で、Community にはありません。当社が足す形は「工程実績の登録で解決する製造現場の5つの課題」にあります。

ロットと期限:品目ごとに日数を決める

期限は、Community の配布物にある期限のモジュール(product_expiry)を加えると管理できます。品目ごとに、使用期限までの日数と、賞味期限・払出期限・アラートを何日前に置くかを決めます。

品目の在庫管理のタブ。使用期限日にチェックが入り、使用期限日・品質保持期限・払出期限・アラート日の日数が並ぶ

品目ごとの期限の設定(画面は見本のデータです)

ロットには各期限の日付が入り、アラートの日を過ぎると「期限間近」の印が付きます。

ロットの画面。右上に期限間近の印、日付の欄に使用期限・アラート開始日・賞味期限・払出期限、上にトレーサビリティのボタンがある

ロットと期限(画面は見本のデータです)

追跡:原料のロットから出荷先まで

標準のトレーサビリティのレポートは、1つのロットが動いた入荷・製造・出荷をたどれます。回収の判断では、その原料が入った製品のロットと出荷先を一度に見たくなります。当社が足す画面は、それを1枚の図と一覧にします。

トレーサビリティの画面。濃口醤油のロットから、製造オーダ、製品ロット、出荷先へ線が伸び、下に影響する出荷の一覧がある

当社が足す画面の見本:トレーサビリティ(画面は見本のデータです)

まだ出荷していない在庫も一覧の下に出るので、止める物と連絡する先を同時に決められます。

出荷:日と便と温度帯で組む

標準の出荷の伝票は1件ずつの画面です。出荷予定一覧は、日のタブ、便ごとのまとまり、温度帯の絞り込みで並べ、未指示の行をまとめて出荷の指示にします。

出荷予定一覧。上に日ごとのタブと冷蔵・冷凍・常温の絞り込み、便ごとの進み具合。下に便と配送先ごとに品名・数量・温度帯・状態が並ぶ

当社が足す画面の見本:出荷予定一覧(画面は見本のデータです)

原価と請求

標準では、在庫の評価の方法を品目のカテゴリごとに選べ、製造で使った原料の原価は会計へ流れます。日本の雛形(l10n_jp)を入れると、販売の消費税 8%・10% が用意されます。間接費を製品へ割り振る原価配賦は Community にありません。締め請求は Community にも Enterprise にもありません。入金の消込は、振込手数料の差額を手数料の勘定へ振り替えて請求ごとに消し込むところまでは標準で在りますが、得意先ごとの手数料の負担の決まりや、まとめて振り込まれた入金の割り当ては入っていません。どれも当社が画面として足します。

まとめ

受注・製造・ロットと期限・在庫の評価は、Odoo Community の標準で骨組みが揃います。

標準の伝票を土台に、食品の現場の画面を追加部品として足す。Odoo 本体を書き換えないので、ソースを手元に置いたまま使い続けられます。

足し方は「アップデートしても壊れない」で説明しています。

「日本の業務」の記事をもっと見る

ERP を、借りずに所有する。

Odoo Community を日本の業務に合わせ、ソース一式を人数無制限でお渡しします。

相談する(無料)