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「あの人がいないと止まる」を Odoo で解消する

仕事が特定の人の頭の中にしかない状態は、休みや退職のたびに会社を止めます。受注から出荷、購入申請と承認を例に、Odoo で手順を画面にそろえる進め方を説明します。

6分
最終更新: 2026年10月26日
属人化業務の標準化受注・出荷購入申請承認
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「あの人がいないと止まる」を Odoo で解消する

担当の人が休んだ日に、見積の出し方がわからない。出荷を急ぐ電話が来ても、どこまで進んでいるか誰も答えられない。こうした「あの人がいないと止まる」状態は、日々は回っているように見えるので、手を打つのが後回しになりがちです。

仕事が人に貼りつくと、何が起きるか

  • 休みや退職で止まる:手順と取引先の事情がその人の頭の中にしかないと、不在の日に仕事が進みません。辞めたときには、長年の工夫ごと会社から消えます
  • 新しい人が育たない:やり方が書かれていないので、横で見て覚えるしかありません。教える側の手も取られます
  • 出来がそろわない:同じ仕事でも人によって手順が違い、確かめる仕組みも無いので、間違いが客先まで届きます
  • 抱えた人が疲れる:問い合わせが一人に集まり、周りは「自分の仕事ではない」と距離を置きます

マニュアルより先に、手順を画面に置く

まず手順書を作ろう、と考える会社は多いはずです。ただ、手順書は仕事が変わるたびに書き直す必要があり、追いつかなくなると読まれなくなります。

続けやすいのは、手順そのものをシステムの画面に置くやり方です。次に何をするかを画面が示し、誰が何をしたかが記録に残れば、担当が代わっても同じ順番で進められます。個人の Excel やメールに散っていた情報を、会社で1つの場所に集めることでもあります。

手順が担当者の頭の中・個人の Excel・メール・紙のメモに散っている形と、見積・受注・出荷・請求のどこまで進んだかと誰が何をしたかを画面に置いた形

手順が人に貼りついた形と、手順と記録を画面に置いた形

Odoo で手順をそろえる例

受注から出荷まで

Odoo の販売では、見積が「見積」「見積提出済」「販売オーダ」と段階を進みます。販売オーダとして確定すると、在庫の側に出荷の伝票が自動で作られ、元の受注番号がつながって残ります。

販売オーダの画面

販売オーダの画面。右上の「配送」「請求書」から、この受注の出荷と請求へ移れます(画面は見本のデータです)

出荷の伝票も「下書き」「待機中」「準備完了」「完了」と、いまどこにいるかが一目でわかります。「あの件、出た?」と担当者を探さなくても、受注番号から出荷の状態までたどれます。

出荷の画面

出荷の画面。参照元ドキュメントに受注番号が入り、受注と出荷がつながっています(画面は見本のデータです)

どの伝票にも右側にやり取りの欄があり、取引先とのメッセージや社内のメモが伝票ごとに残ります。「この客先は午前着でないと受け取れない」といった、その人だけが知っていた事情を伝票の横に置いておけます。

購入申請と承認

物を買うときの「誰に聞けばいいのか」も、属人化しやすい所です。Odoo Community の購買にある承認は、発注を1段で確定するか、金額の基準を決めて上長の承認をもう1段挟むか、までです。購入申請の段階での多段の承認・差し戻し・代理の承認は、Community には入っていません(承認のアプリは Enterprise 側です)。

当社は、この部分を Odoo の中で動く追加の画面として用意します。金額に応じて承認の段数が変わり、いま誰の番なのか、前の人がどんな理由で通したのかが申請の画面に出ます。

購入申請と承認ルートの画面(見本)

購入申請の画面(見本)。承認ルートに、承認済みの人とコメント、いま承認を待っている人が並びます(画面は見本のデータです)

承認の順番が画面で決まっていれば、「部長に先に話を通しておく」といった暗黙の手順に頼らずに済みます。差し戻しの理由も申請に残るので、次に同じ申請をする人の手本になります。

始めるときの順番

  1. 止まると一番困る仕事を、1つだけ選ぶ(受注から出荷、購入の申請など)
  2. いまの担当者に、実際の手順を順番どおりに話してもらう
  3. その手順を Odoo の段階と伝票に当てはめ、足りない所(承認の段数・日本の帳票など)を洗い出す
  4. 足りない所は追加の部品で足し、担当以外の人に一度通しで動かしてもらう

全部の業務を一度に変える必要はありません。1つの流れが誰でも回せるようになると、次に何をそろえるべきかが見えてきます。

なお、Odoo Community には画面に項目を足す道具(Studio)は入っていません。項目や画面を足すときは、追加の部品として作ります。

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